美しいもの

美しいものを追いかけていたい http://twitter.com/kasg_wr

言葉

彼は私に「"私なんか"と言わないで」という言葉を残した。

恩師は私に「目の前のことだけをただ淡々とやりなさい」と諭し続けた。彼は「自分で選んだ道だから、後悔するわけがない」とも言った。

また別の彼は「目の前の小さなことを、粛々とやり続けるだけ」と言った。私の目の前で。彼はいつも「美しいもの」を追い求めると言う。

彼女は卒業アルバムに「ここまで頑張れたのは、あなたがいてくれたから!」と書いてくれた。間違いなくその言葉は私の糧となっている。

テレビの向こうの人は「ニュートラル」「楽になろうと思えばいい」と言った。また別の人は、いつも「明日からがんばれ」と言ってくれる。

いろいろな人の言葉が、大好きだった人の言葉が、つるとなってぐるぐると自分を取り巻いているように思う。決してそこに依存することなく、しかし忘れられない言葉たちは私の中で育っている。放たれた言葉を自分が育てている。きっとこんな言葉を言った人々は、私が自分の言葉を糧に生きているなんて思いもしないだろうし、言ったことすら忘れているかもしれない。でもいいのだ。私は過去の言葉を大事に持って育ててここまで生きているし、これからも生きていくのだから。