美しいもの

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「苦手」を「技術がない」に言い換えよう

なんにもすることがない。

料理がとても苦手だ。悪い例えだと分かっているが、発達障がいの子どもが授業中にじっとしていられなくて立ち回ってしまうみたいに、料理をすることに対して発狂するレベルの拒絶感を噴出してしまう。料理をしているとうわああああってなる。ちょっと思い通りにならないと泣いてしまう。

人付き合いも苦手だ。人と話すのも苦手。相手の話よりも、自分がなんと言うかに焦点を当ててしまっている。どうしよう、なんて返そうが頭を支配して、ちぐはぐなことを返してしまって、相手をきょとんとさせてしまう。

 

苦手、というのはずるい。ある人が、人見知りというのはただの言い訳で逃げ道だ、と言っていた。苦手、というとそこでシャットダウンしてしまうというか、私はそういう人間なのでもうどうしようもありません、と自分で改善しようとすることをやめてしまうような気がする。だから最近は、苦手、を、技術がない、に言い換えるようにしている。私は料理の技術がない、私はコミュニケーションの技術がない、って。そうすれば技術を身につければある程度は上達して、苦手から脱することができるようになるかなあと思って。

苦手を技術がないに言い換えるもう一つのメリットは、他人を見る目が変わることだ。綺麗な人を見て「意識高いねえ」と馬鹿にするんじゃなくて、「髪型や服装の努力をしているからこんなにきれいなんだな」と、社交的な人を見て「いいよねえあんなに誰とでも盛り上がれる人は」と嫉妬するんじゃなくて「こんな風に冗談を言って話を振ってるんだ」と、技術を盗もうという目で見ることができるようになる。それに、相手への嫉妬や馬鹿にする気持ちや自己嫌悪から解放されることもできる。自分は人見知りだから、これは苦手だから、無理。そう言うことは簡単だけど、そこでシャットダウンしてしまっては何も進まない。羨ましい人、すてきな人を見かけたら、ちょっとでも盗めるものを探して、技術を得ることで、私はもう少し生きやすくなるんじゃないかな。