美しいもの

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生存戦略

そっかあ。

 

私は就活のとき、メンヘラを隠し通すことを貫いた。

うつ病と就活 - 美しいもの

その甲斐あって、どこかしらに就職することを叶えた。

上司との面談、がたまにある。

困っていることはないですか、趣味は、仲のいい人は。

 

私が最も困っていることは自分のメンタルを抱えながら働かないといけないことなんだけど、そんなこと上司という程度の立場の人に言えるはずがない。そりゃそうだ、その人との信頼関係が十分であるとはなかなか言い難いし、下手に話して自分の立場が危うくなったりすることは避けなければならないからだ。私は仕事内容で困っていることは包み隠さず相談するが、自分の本当の問題ー時々ものすごく気分が悪い状態で仕事に行かなければならないとか、ちょっとしたミスや一言で救いようもないくらい落ち込んでいることとか、朝起きるのが本当につらいとか、定期的に取っている有休はすべて病院に行くのに使っているとかーは、どれ一つとして話せていないのだ。

 

周りに、会社に入ってからストレスで少し調子を崩している人がいる。

言ってあげたい。私もだよって。

言ったところで相手にとって救いになるとは限らないし、結局のところただのエゴ、自己満足なのだと思う。でも私はその人に、何もかも話してしまいたい、という気持ちを抱いてしまったのだ。

もちろん本当に話してしまうわけにはいかない。私はもうしばらく、メンヘラを隠して生活していくつもりだから。それに、その人の課題を抱え込む心の余裕が、間違いなく私にはないから。他者のメンタルの課題に踏み込まない。私の原則が揺らぎかけるくらいには、彼女を思ってしまっているのだろうか。とにかく、もう少し、もう少しだけの我慢だ。息をするように、目立たず、平凡に、"ふつうの"人であり続けるのだ。息苦しいな。でもこれが私のとった生存戦略だ。