なんでも全力だけが取り柄の私
なんでも全力。
「かささぎさんはなんでも全力だからすてきだよ」と言ってもらえた。
なんでも全力。私のいちばんの特徴はこれだろう。
中学時代、定期テスト前はよく泣きながら勉強していた。自分ができないから。社会でどうしても暗記できない事柄があって、3回解いても分からなくて、うわあああと頭が混乱して泣いたのを覚えている。
音楽の授業で自分だけ高らかに歌いすぎて隣の席の人にまじまじと見られたのを覚えている。
幼稚園であいさつとお辞儀を全力でやりすぎて、何年か後に当時のビデオを見返したときに笑われた。
持久走は一度も歩いたことがない。毎週行われる英単語テストは、高校1年のとき1回も不合格にならなかった。高校2年から学校に行けなくなったので、単語テストを休んだら不合格者のペナルティでもある、1つの単語を10回ずつ書くプリントを渡されていた。
どんなにがんばったって、体が壊れてしまえばおしまいなのだ。
私が心を病んでしまったのは、きっとこの性格がすべてだと考えている。親のせい、学校のせい、環境のせい、いろいろなところに八つ当たりしようとしたけれど、私がこうなったのは紛れもなく、私がうつになりやすい人の特徴を性格として持っていたからに他ならないと思っている。
出会って1週間の知り合いに「なんでも全力だね」と言われた。2週間お世話になった人にも、また別の2週間お世話になった人にも、両方の人から「とてもまじめだね」と言われた。一生懸命にがんばる姿を見て、私を好きになってくれた人もいた。
最近は上昇志向とかやる気とかそういうものが大半消え、学歴とか熱意とか出世とかそういうものから離れて穏やかに健康に生きていきたいと思っている。ただ全力の気質はどうしても消えてくれなくて、この間も訓練でバカでかい声を出して褒められ、適当に走ればいいのに全力でマラソンをした。きっとこれからも、適当でいいことをテキトーになんてできなくて、サボれなくて、つい一生懸命やってしまうんだろうと思う。適当にほどほどに、息抜きしながらできることってないかなあ。どうすりゃいいんだ。