美しいもの

美しいものを追いかけていたい http://twitter.com/kasg_wr

誰でも

自分はすごく特別な人生を送っているように感じる

誰よりも苦しい闇を持っていて ドラマのような恋をして 輝かしい経歴とどん底の挫折を味わったような人生

ただ人はひとりひとり全員がそんな経験を持っていて 誰にも心があって性格があって家庭があって苦悩があって同じように喜び同じように苦しみ ひとりひとりが自分のドラマを生きているのだと

自分の子どもを見るときはそう思えるのだ

クラスに何十人の子どもがいて、私は1人で何十人の子どもを一度に見ないといけないのだけれど それでも1人ひとりにその人の人生があって性格があって帰る家があって生い立ちがあるのだと そう考えることができるのだけれど

自分のことになるとそれを受け入れられないのだ どうしても自分だけが特別な人生を送っているのだというその気持ちが邪魔をするのだ

みんな生い立ちのどこかに闇を持ち 輝かしい歴史を持ち そして母から産まれてきたのだ 

最近はよくそんなことを考える

電車で隣に座ったこの人にも人生があるのだと この人はきっと家を出てそしてどこかへ向かっていて、それで電車に乗っているのだと

ふんぞりかえって座っているあの人も、家族か友人の前ではきっと何か素敵な人でいるんだろうと

そんな人々の中にいる1人の自分が自分なんだと 思う 英語で言うとone of themなのだろうと 日本語では的確に言えないけれど、

自分がこんなに苦しんでいることも、きっと私が特別なんじゃなくて、みんな同じように思っているのだと、そのことを私は受け入れられないのだ 世界は自分を中心に回っているのだと今でも思うことをやめられない

「みんなそうだよ」という言葉は私の苦しみを昇華させない

「みんなそうだよ」は自分の中にある自分だけの自分を崩す

私は崩れることが怖いのだ 崩れるという言い方を理解してくれるあの人はきっと本物だと思う 何度でも言う

自分は特別だからこんなに苦しんでいるのに、みんなもそうだなんて言われたら、この苦しみはどこへ向かえばいいの?

自分が自分だけの自分でいられないなんて 魂が抜けるような話だ 私にとっては