美しい
どうにも忘れられない美しい瞬間がある。
一面の星空を見開きのページいっぱいに描いた絵本
一瞬で足下のドライアイスが吹き飛んだ瞬間
昼下がり、サボり仲間と最寄駅で居合わせて、気まずく笑みを交わした高校3年生の秋
背中をなぞられた夕暮れ
魔法にかかったような瞬間
夜街頭に照らされてキラキラ光る線路
なんの話も振っていないのに、みんなが好き放題しゃべる飲み会と授業中
ああそう 放課後学校から見えた華麗な夕焼け
心奪われる瞬間は、目に見える景色も、目に見えない思い出も、関係ない 今も私のどこかで強烈に存在している
「美しい」とは何か私にはわからなかった でも気づいた、私は美しいものにちゃんと気付きながら生きてきたんだって