美しいもの

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「自分はダメ人間」と思わなくなった

あれ、最近わたし自分のこと結構好きかも。

と思った。

久しくそんな感情は抱いていなくて、うつ病真っ只中だった高校生とその近辺は毎日毎日「自分はなんてダメな人間なんだ、死んだほうがいい」と心底思っていたし、そんな自分を認めてくれる人がいるときまって「私なんかにそんな言葉をかけてくれていいのか」と本気で言っていた。

 

ああ、これがまさに症状だったのか、と思う。

何度でも言うが、精神疾患の恐ろしいところは、それが症状であるという自覚がとても難しいことだ。不可能に近い。体のどこかに異常があれば、それは症状であり、治せば治るものとして認識できるであろう。しかし、生きることが嫌になったり、テンションが上がりすぎてトラブルを起こしたりすることを、自分の本心ではなく症状であると自覚できる人なんているのだろうか。「自分はダメ人間だと思うことは症状なので、お薬飲んだり環境や生活を変えたりすれば思わなくなりますよ」と言われたところで、あ、そうですね、じゃあしばらく休んで様子見れば治るんですね、と腑に落ちる人はどれくらいいるんだろう。現に自分は本気で自分はダメなやつだ、と思っているのに。

 

徐々に、場合によっては小さなきっかけから不意に、「自分はダメ人間だ」「生きる価値がない」「自分が生きていることが申し訳ない」「自分なんか」という価値観、専門的に言うと"認知"が薄れていった。実際現在の状況を話すと、そんな風に思うことは時々あるけれど、その大半が具体的な失敗をしたときなのだ。毎日毎日、何も悪いことをしていないのに、自分はダメ人間だから死んだほうがいい、とか思わなくなった。

しかし「自分がダメ人間としか思えなくなる症状」なんてどうやったらそんな状況になるんだろうね。人の体って不思議だね。しかも同じ病気の人がみんな、おんなじ症状を呈するんだから面白いよね。次私が生きる価値がないなんて言い出したら、これは症状だな、ああ今疲れてるんだな、って自覚できるようになるんだろうか。多分無理な気がするなあ。自覚できる範囲内でちゃんと気づいて対処できるのが理想なんだけど。うん、なかなか厳しいよなあ。最近は自分のこと、欠点もたくさんあるけど、まあまあいいじゃん、って思えてるよ。欠点と長所は表裏一体ってことを少し学んだのもあるのかな。こんなに幸せなことはないね。